平成13年型のCL1、走行距離8万km、驚くほど綺麗なアコードのオーバーホールのご依頼を頂きました。
着手前に試乗を行いオーナー様の「70才まで乗る」とのご意向と摺り合わせて、作業メニューと見積もりを作成しました。
さ~まずエンジン降ろしに着手します。
抜いたエンジンオイルを点検、色、匂いとも問題なし、オイル消費も少なくこれならエンジン本体は問題なし、
これから20万kmくらいは十分に走行可能です。
エンジン、トランスミッションをASSYで降ろして、と言うか吊り上げて(笑)、
作業は環境を整備して安全第一で進めます。
エンジンから切り離したトランスミッションのクラッチハウジング内は、
汚れてはいますがオイル漏れもなく程よい普通のコンデションでした。
赤→レリーズベアリング、青→レリーズホーク、緑→はメインシャフト、少しスプラインにスカッフあり、
でもこれ位なら想定内で問題なし、修正してシャフトは再使用が可能ですね。
レリーズベアリング、これは駄目、新品交換です。
フライホイルの赤〇部を拡大すると
摺動部が青焼して段磨、振れも円周で0,5mm程度ありました。
これも新品に交換ですね。
作業の風景、右側は製作途中のS耐用Fit3RSの2号車、1号に部品を移していまはドンガラな状態です。
さて、降ろしたエンジンのヘッドカバーの内側は「とても~」良い状態でオイル管理が行き届いている賜物、
オーナーの愛が現れていますね。
過去にはタイプワンでこんな恐ろしい事例が
↓
http://www.typeone.jp/?p=7802
赤→ウォーターポンプ、青→テンショナー、緑→はバランサー駆動プーリーです。
ベルトはこんな状態でベースから剥離していました。距離と経年で交換を判断下さい、
Honda車全般にベルトは幅広で強く耐久性も高いのですが
距離15万、10年のどちらかが来てたら交換時期です。
タイミングベルト、バランサーベルトの交換時に同時作業した部品群です。
これらを作業台にエンジンをセットして各部を点検しながら組み付けます。
車上でベルト交換だと、制約があるのでこういう訳には行きません。
タペットクリアランスを計測、記録してから調整を施します。
平行して空のエンジンルームをCRCなどを使い掃除します、各部の防錆にもなるしね。
例えば写真のこのボルト、ヘッドライトを止めているボルト、
嫌だ~Noプレートを止めてる汎用ボルトの流用なの、
これはちょっとね駄目でしょう、許しません、お仕置きだ(汗)
で、こんなアルミ製のフランジボルトに交換しちゃいました。
これ本来はレース車の軽量化目的で製作したボルトで何と「削り品」ですゼ、(笑)
交換したエンジンマウント類、右側が旧部品です。
整備が出来たエンジンにオーバーホールしたミッションをアッセンブルします。
車体に平行な位置を探し出してエンジンを積み込みます。
マウントの穴がガバガバなので適当~に積むと斜めにも積めちゃうんですね。
赤→フロントテンショナーアーム、青→にはプッシュプルブッシュがレイアウトされています。
左側が新品のFカップ、右は痩せて潰れちゃったぺチャなAカップな旧ブッシュです、でもFカップて何の事かいな?
大きく開口して何も無いフロント部分、所在なげなエンジンルームがシュールですね~、
モノコックキャリパーもオーバーホールしちゃいました。
ピストンは表面加工してあるので磨きはNGです。新品に交換しました。
シールも当然新品に交換、これで正規のノックバック特性が確保されます。
リアサスアームやハブ、スピンドルも交換、リジカラグリスが大活躍ですよ。
フロントサスアームは全て新品に交換いたしました。
パワーステアリング系はラック、ラックエンド、ブーツなど交換です。
スタビリンク、サドルマウントも全て新品に交換します。
マウントとスタビの間にはラバーグリスを使いましょうね。
ホイルをまわしてブレーキの当りをつけます。
堂々完成したフロントサス周辺の記念写真です、う~んマンダム!!
同じくリアサス周辺の完成写真です。
一度目のアライメント調整を行い試乗の準備。
約100km程度の試乗を行い動作確認して、慣らします。
各部が馴染んだ試乗後に再度アライメント調整を行うのがSPOONの流儀、標準作業のフローなんですね。
最後に「お時計」を合わせて「完了」です。
お客様の強い要望で作業費用は非公開、マル秘。
ご用命ありがとうございました。
Posted by 吉澤