急に暑くなってきましたが皆さま体調いかがでしょうか。
タイプワンではしっかりと換気しながら熱中症に気を付けて作業しております。
今回のタイプワンブログは、エンジンから異音がするということで入庫されたEK9をレポートします。
確認の為にクランキングしてみるとカンカンと激しい打音がします。
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エンジンオイルを抜くも勢いよく出てきません。ドレン部分を見るとなんと金属片が…。外したマグネットドレンボルトはアフロヘアになっていました。
車体からエンジンを降ろし、異音の原因を探しながら分解の工程に移ります。
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ヘッドカバーを外しカムシャフトをチェックすると、ジャーナル部分に小さい金属片がついています。細かな金属片が、オイル通路に沿ってエンジン各部に回っているようです。
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シリンダーヘッドを外してみると…
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赤→部に打痕があります。ピストンを見ると、やはり当たった跡がありました。カンカン激しい打音はココが原因だったようです。
なぜピストンがヘッドに当たってしまったのか、さらに原因を探します。
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オイルパンを外すと、底面にもキラキラと大量の金属片があります。この金属片の感じ、メタルベアリングが怪しいです。
サーキット走行を楽しんでいらっしゃるユーザーさんの車両なので、当然バッフルオイルパンを装着しておりオイルの偏り対策は万全なのに何故こんなことに?
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オイルストレーナには、大きな金属片が大量に詰まっていました。このフィルターで大きい破片はキャッチされますが、小さな物は通り抜けてしまい、エンジン各部に回ってしまいます。
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問題箇所と想定したコンロッドを触ると、大端部分がガタガタです。1番のコンロッドキャップを外すとやはりメタルが粉々になり完全に無くなっています。
音の原因はメタルが無くなり、ストローク量が変わったことでピストンがシリンダーヘッドに当たり出た音でした。
バッフルオイルパンが付いていても、油量が減っているとオイルの循環が間に合わず、油膜切れを起こしメタルブローしてしまったと考えられます。
オイル消費が多めのエンジンでは、走行中にオイルが減り焼き付くことも有るのです。
ちなみに、粉々のメタルがどこまで行ったかというと、
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クランクメタルの溝を塞いでいたり
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オイルジェットやチェックバルブを塞いでいたり。細部に行きわたって油路に入り込んでいました。
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日常点検するのももちろんですが、サーキット走行する際には、走行前にオイルレベルゲージの赤←部のアッパーレベルまでエンジンオイルが入っているか必ず確認しましょう。
さらに、オイル量だけでなく、消費量の確認も忘れずに!目安として1000㎞に1回は見ましょう。
過去のブログはこちら→https://www.typeone.jp/?p=30012
オイル管理はとても大切です。簡単にできますのでぜひチェックしてみてください。
こまめにチェックして永く快適なカーライフを送ってください。