クラッチ滑りで走行不能のCL7が積載車で入庫しました。先日、オーナー様から「シフトが入りづらい」と相談を受けていました。
今回はクラッチ交換と一緒に、点検を兼ねてミッションオーバーホールを提案し、作業することになりました。
.
トランスミッションを降ろし、クラッチの交換です。クラッチカバーを外し、ディスクを確認すると…本来あるはずの溝が無い。厚さを測ると使用限度値の6.0mmを超えて摩耗していました。これでは流石に滑ってしまいます。今回はカバー、ディスク、フライホイール一式交換をします。
.
ミッションオーバーホールの開始です。
.
ケースを開けると、内部はやや汚れ気味ですが、酷い状態ではありません。
.
シャフトを分解しギアを点検すると、赤〇部のように摩耗しています。新品のギアは青〇部のように、山型に成型されています。シフトの入りが悪いのはこれが原因ですね。
今回はギア、シンクロやベアリングなど消耗部品を交換します。
シフトの入りが悪い原因も判明したので、ここからは通常の工程で組上げます。
.
組上げたミッションを車体へ載せ、リフト上で確認します。クラッチとシフトフィーリングは良好です。
路上で走行負荷をかけた試乗でも問題ありません。これでまた安心してお乗りいただけます。
.
シンクロやギアが痛む原因の一つにオイル管理の不備が有ります。
タイプワンでは、長くても10,000km以内でのミッションオイル交換をおすすめします。もしオイル交換時にシフトフィーリングが良好になる場合は、そのオイルは使い過ぎです。早めに交換しましょう。
エンジンだけでなくトランスミッションのオイル管理も大切です。