IMGP6840

もっともダメージが深いピストン頭部です、ブローの原因はこの部分から起きたと考えられます。

コピー ~ IMGP6843

青〇部分に発生したデトネーション(異常燃焼)によりピストンが溶解し「棚落ち」した痕跡が見てとれます。

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ピストンは頭部が溶解、高い爆発力に押され青→に流れた、リングはピストン溝がなくなり宙ぶらりんに、

次にシリンダー摺動部とリングがスカッフィング(焼付き)を起こして破断、

バラバラに粉砕、分解したリングの破片は燃焼室やシリンダー下部に飛びちった。

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ピストンの裏側を点検してみると赤〇部分に異常が、

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鍛造のピストン素材は溶点を越えて「発泡」していました。

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ピストンスカートの青〇部を拡大して見ると、

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とても良い状態ですね、スカート部分には純正ピストン固有の

特殊加工されたオイル溝も残り異常磨耗はありません。

IMGP6903

参考までにダメージのない他のピストンを撮影、普通はこんな感じですね。

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上死点の近辺で起きたリングの引っ掛かりからシリンダー壁に焼付き、

傷はミリ単位の深さでした。

IMGP6853のコピー

ヘッド燃焼室の冠面は破片の掻き回しで「異常」な状態でした。

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燃焼室にはリング破片が飛び散り悲惨な状態です、その部分を拡大撮影しました。

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カム廻りにも一部に問題がありました。

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指差し部分のロッカーホルダーシャフトに虫食いが起きていました。

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赤〇部分、傷が深くてシャフトとロッカーは新品に交換です。

通常10万km程度を走行したエンジンは多少の偏磨耗痕が

あります、そんな場合はバフ研磨を施して再使用します。

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いよいよNEWエンジンの搭載です、結局今回は旧エンジンで

使えたのはヘッドカバーだけでした(涙)、

もう少し早く入庫していたらブロック、ヘッドなど再使用が

可能だったかも知れませんね。

朝一の冷えた状態で始動時の「瞬間」その一瞬、

1~2秒だけ「カタカタ」とか「コンコン」とか

聞こえませんか? 油圧が上がると普通に「サ~」と

アイドルしていても、、朝一番、冷えたエンジンの

最初の音に注意です。

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エンジン慣らしとダメ出しで試乗、エンジンチェックが点灯したり

フィーリング不調などHIM対応で原因を見つけながら

対処して都合3回の試乗を繰り返しました。

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NEWエンジンに交換で総額は¥1,117,089円、でした。

 

Posted by 吉澤