コンロッドには赤〇、クランクには青〇のようなメタル合わせ用の識別アイコンが刻印されています。
写真はクランクジャーナルの測定シーンです、この値とコンロッドの内径でメタル厚を決めて、
メタルでPゲージをつぶして実計測、識別マークは参考まで、あくまで実測定を主体に「エンジン」を組みます。
コンロッドのキャップはノックピンで隙間をなくして完全に嵌合させています、
ボルトだけだとボルト穴にガタが出るのでノックピン(青矢印)で位置決めしてるんですね。
リング合口を計測、各シリンダーで隙間を合わせてテンションを揃えることで「摺動抵抗」を均一にします。
このピストンリング溝は設計の意図で傾けて加工されています。
これがピストン単体の検査表で、
オレンジ色表記部分がオイル溝の傾き測定結果です。
ピストンの入荷状態、1ロット400個、重量の公差を極限まで均一に揃えた特注品です。
この刻印赤〇はなんですか? エンジン教室でも良く聞かれました~、
マークは1~4番の各シリンダーに使用するピストンを表しています。
ⅡマークはBピストン、ⅠはAピストンを、このシリンダーの場合はBピストンを
要求しています。
赤〇がBピストンの刻印、ところでHondaのピストンは量産品としては超~特級品、
世界中で広く言われているHondaの「高品質で高耐久」、これは「事実」なのです。
各ピストン、コンロッドは全数を計測して重量、冠面容積を合わせます。
シリンダーにダミーヘッド(赤矢印)を組み付けて「歪み」、つまり
残留応力を取り、より正確なシリンダー内壁面を作りだして、シリンダー各部の内径を計測、記録します。
エンジン室は室温、湿度を一定を心がけています。
リングも重量を測定、公差は0,01gです。
各ムービングパーツを小組した状態、写真はノーマルサイズBピストンです。
コンロッドのスラスト方向を測定して確認します。
オーバーサイズピストンで組み立てた腰下ブロックの完成です、オープンデッキの構造がよく判ります、
赤→が鉄素材スリーブ、青→がアルミ材シリンダー、複合材のシリンダーですね。
次はヘッド系をレポートします。
Posted by吉澤