走行が20万kmのEK4、駆動系からの異音で入庫したEK4型シビック、ほんとうに気に入ったクルマで目指そう50万km、
ではレポしま~す。
分解前にスタッフが試乗して現状を把握させて頂きました、それから修理内容の打ち合わせ、
予算の摺り合せなど行います、私たちにはルーティンな作業ですがお客様にはドキドキの内容ですよね、
でも安心して下さい。
私たちは無闇なチューニングはお奨めしません、価格は普通でレーシングカーと同じ整備水準で作業します、
工賃は貴方の街のホンダのデーラーさんの工数と同じです、単価は時間8,400円ですけど、、
微低速でアクセル踏むと異音が「ごとごと」、これは打音系ですね、冷えていても、
暖まっても変わらず、ステアリングにも「振動」が、、コクコク+グリグリ音です、
経験でLSDと目星をつけて現状のイニシャルを測定すると
リミテッドしてないんじゃないの、このデフの場合は、、
トランスミッションを分解して洗浄したLSDを取り出し、
ケースをパカッと開けてインナーパーツを見ると、、
各インナーパーツを洗浄して拡大鏡を使い仔細に点検します、触ります、臭いも嗅ぎます、すると、、
問題は青〇部分が、、、赤〇部も、、
青〇部は「クラッチプレート」 激しく磨耗材が焼きつき修復不能です。
こんなときです、「家政婦は見た~」のあのテーマ曲が聞こえて来るのは、、
赤〇部はサイドギア
傘歯の歯底に傷が、、当然相手側のギヤにも傷が、
交換部品が多くてLSDは新品の方が安価(涙)
ケースの歪み、深い傷も多いのでLSDは結局ASSYで新品交換になりました、
写真はLSDのサイドベアリングのクリアランスの調整です、目標値は0、05mm~0,10mmが目標レンジです。
右側のシムケースから適合サイズを慎重に割り出します、
前後のハブ、ハブベアリングの交換、赤矢印がフロントベアリングです。
青矢印はリアハブベアリング、リヤベアリングはハブとアッセンブルされた一体構造なんですね。
リヤハブを抜くと、あちゃ~、
レースが残留してるじゃないの、抜けない≒怖いな~
錆びた可哀想なスピンドル部、まってなさい、レスキュウしちゃいますから、海猿隊すぐに出動だ~、う~う~。
ぴかぴかに磨いたスピンドル部、このスピンドルとベアリングの噛み合い基準は各メーカーで違います、
いやな話ですが国産はメーカー内で違うんですね、つまり売れる車は安価、高く売れないスポーツ系は高価な、、
でもホンダや欧州車はこういう差がないみたい、、えらいぞホンダ、好きだぜホンダ(笑)
フロントハブの新旧での比較 フロントのハブも抜く時にインナーレースが付いてきました。
でもこれはこのまま捨てるから全然OK、すきなだけ固着してなさい、
新品のハブに新品のベアリングだからノープロブレム(古)。
恐ろしく錆びて固着したフロントハブを拡大すると、
赤矢印部を注目して下さい、隙間に赤さびが発生、それは問題でしょう、
ここに勘合しているベアリングの内側(内壁)です、本来はハブと完全に密着していなくてはいけない部分ですが
磨耗でこの部位に痩せが発生して、その後で水が浸入して錆びが発生、ますますガタは拡大~でまた水が浸入して、、
この繰り返しに熱と振動が加わり、、FF車のフロントハブは過酷な使用環境なんです。
つらい処にHiグリップ+幅広タイヤで「グリグリあんだー」大魔王様の無理やりドライブだものタマらんよ~
ゆっくりと静かに挿入勘合、無理やりグリグリ音をたてた急ぎの圧入は駄目デス、
この作業の場合は、、先ずいくわよ~、いいわよ~じゃもう少し入れるよ~的な独り会話が大事です。
いやん、やめて、て言われたら直ぐに中止ね ❤
タイプワンでは電動プレスはハブ交換には使いません、せまい工場になんでプレス機が3台もあるの?
て聞かれるんですけど、やさしい圧入に向いた機材を、適材適場で使い分けてます。
完成したリヤ足回り、ローターは防錆ジンク塗装して防錆しちゃいます。
なにダクタイル鋳鉄素材だから錆びていてあたりまえ、
チェ、江戸子は拘るんだゼ、細かい処に、
3000~5000回転でギヤを出し入れしながら走行モードを作りギヤBOXを測音します、スムーズで糸を
引くような快音、ギヤの歯面にオイル膜があるようなイメージの音が理想なんですね。
Posted by吉澤