S2000のオーナー様からエンジン音が凄いんですけど～とお電話が、点検の為入庫して頂きましたが、
移動しようとすると異音と言うよりクラッチペダルに伝わる振動がとにかく凄い、これは一大事！？
オイルを抜くと焼けた臭いが、廃油パンの底を触ると指先にはザラザラとした金属粉、これアウトでしょう。
ただならぬオイルの汚れとキツイ臭いに驚きながら恐る恐るオイルパンを外して点検しました、
ハァ～、クラッチを踏むとフライホイルが前後に動いているじゃありませんか！？
取り外したオイルパンの中には見慣れない形の金属片が落下しています、、それにしてもオイルが酷い、
焼けた匂いも凄いし、と、オーナー様「異音がしたのでエンジンオイルは数日前に交換しました」って、
匂いは大丈夫だったのかな～（驚）
見慣れない金属片の正体はこれ、スラストメタル、左側はクランクプーリー側、右はフライホイル側、
フライホイル側は焼き付き表面がギタギタに、、、、
クランクシャフトを見るとフライホイル側のスラストメタルの当たり面には当然焼き付きのあとが、
プル式のクラッチを採用するS2000は、踏力が重いクラッチを使うとココに負担がかかる事も、、、
本来、スラストメタルはシリンダーブロックにピッタリと赤矢印のように嵌って
クランクシャフトの軸方向の動きを規制しています。
スラストメタルが摩滅、脱落しクランクシャフトが前後に数ミリ動き、シリンダーブロックにクランクが
直接触れ回転した接触傷が見えます、クラッチペダルへの振動の原因はココでした。
スラストメタルは組み込むと赤矢印のように見えなくなります。
このスラストメタルはメインメタルと構造が違い油圧をかけて使わないので、大きな負荷が苦手です。
更に、エンジン始動時はクラッチを踏みながらセルモーターを回すのでなおさら負担が増えます。
メタルの詳しいお話
抜いた廃油の状態を見るとエンジン内部で起きている事が判ります、
もう少し早く診断できればメタル２枚と、重いクラッチを交換するだけで済んだのに、、、
クルマの発する異音や振動はクルマからのSOS、その声を聞き逃さないで下さいね。
Posted by Jomoto
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