今日はなんと28万km走行のS2000をご紹介します。
今までエンジンをはじめ、サスペンション、デフ、ドライブシャフトなど、各部をメンテナンス
してきましたが、今回、「クラッチのストローク量が時々変化し、ミッションの入りも良くない。」
との事で入庫されました。
まず試乗チェックをしてみると、
やはりクラッチのストロークが一定ではなく、重い感じがあり、ギヤの入りも
全体的に渋い感触。
またアクセルパーシャル時に駆動系からジャラジャラ音が出ており、
振動が感じられました。
ユーザーに聞いてみるとミッションだけは28万kmオーバーホールはしたことが無い
との事で、クラッチ、ミッションをオーバーホールすることになりました。
まずはミッションを下ろしクラッチをチェック。
すると、
写真左はクラッチディスクですがサイドプレートが割れてしまっていました。
サーキット走行、峠走行などで時々起こる現象なのですが、このプレートが完全に
割れてしまうと、その破片がクラッチカバーとディスクに挟まり、クラッチが切れない状態に
陥ります。
クラッチストロークがおかしいと感じたら要注意です。
SPOONクラッチ、フライホイールに交換です。
次にミッションオーバーホールです。
ミッションはこちらタイプワン2階にて分解、洗浄し、交換必要部品を洗い出します。
そして、タイプワン1階エンジン、ミッション室にて精密に組み上げられます。
写真上左は1-2速シンクロ新品。
このシンクロ、もちろん新品に交換すれば、新車時のフィーリングに戻るはずですが、
実は新品のシンクロ(写真中央)はスライドするハブ部にバリがあり少し動きが渋いのです。
タイプワンでは写真右のようにシンクロハブ部に表面処理を施すことで
新車以上のスムーズ且つしっとりとしたミッションフィールを実現しております。
写真左はプロペラシャフト。上が外したもの、下がSPOON加工品です。
ミッション脱着時には必ずチェックしているパーツなのですが、最近このプロペラシャフトの
ジョイント部にガタ、焼きつきが生じ、振動・異音が出ることが多いです。
今回のS2000のプロペラシャフトも回転方向のガタが大きく、ジョイントの動きが
渋くなっていました。
パーシャル時のジャラジャラ音と振動はこれが原因ですね。
SPOONプロペラシャフトは新品を使用し、ドライブシャフト同様にジョイント部を
鏡面加工することでスムーズな走行フィールを得られます。
S2000はミッション脱着時にフロントサブフレームを下げるので、
ステアリングリジットブッシュ、サブフレームリジットカラーも同時装着して、作業完了!
試乗チェックをしてみると・・・
クラッチストロークはスムーズになり、ミッションの入りもスコスコでスムーズになりました。
気になっていたパーシャル時の異音、振動も完全に無くなり、クルマの質が
高まった印象です。
またサブフレームをリジット化したことで、コーナーリング時の荷重移動が
クイックでスムーズになりとても28万km走行しているとは思えないほどの
俊敏さがよみがえりました。
今日はその他、大阪からFD2のお客様も御来店され、ボンネット、プラグ、オイル交換を
されて帰られました。
いつも遠方からの御来店誠に有難うございます!!
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