今日はDC5のお客様です。
走行90,000kmで月1回くらいサーキットを走行されているようですが、
「最近、街乗りは問題無いけど、サーキットで全開走行をすると、どこのギヤも
入りにくい。」との事でした。
高回転時のみどこにもギヤが入らなくなるというのはクラッチの磨耗が考えられるため、
工場内でクルマを少しだけ動かしてチェック。
やはりクラッチは重く、つながりはダルになっていました。
この状態でしばらくの間、走行を続けていたとの事でしたので、
今回、クラッチ、ミッションのオーバーホールをすることになりました。
まずミッションを降ろしてクラッチをチェック。
写真左はクラッチディスクです。
右が今回外したもの、左が新品です。
予想通りディスクの溝は無く、規定ディスク厚からも下回っておりました。
クラッチカバー(写真中央)やレリーズフォーク、ベアリング(写真右)も消耗が激しかったため
新品に交換です。
ユーザーにお聞きしたところクラッチは今まで90,000km無交換との事でちょっとビックリ!
サーキット走行月1回ペースで90,000km持っていたのは奇跡的?よほど丁寧な
ドライビングをされているのではないでしょうか。
そして次にミッションOH。
シンクロ、ギヤ、フォーク、ベアリングなど各部を洗浄して点検を行います。
写真左は1-2シンクロのスリーブです。
左が外したもの、右が新品ですが見ての通り、ギヤとかみ合う歯の部分が
ほぼ全てのギヤでつぶれてしまっている状態でした。
いつも同じクルマを運転しているとクラッチの滑りというのは意外と気付かないものです。
もし高回転でギヤが入りにくくなったら要注意。早めに対処しましょう。
そしてタイプワンではミッションオーバーホール時には必ず行うことがあります。
特にDC5、EP3、CL7、FD2ハードユーザーに稀にあることなのですが、
カウンターシャフト、リングギヤにクラックが入り、最悪のケースはブローに至ってしまいます。
オーバーホール時にはその微細なクラックも見逃さないために入念なチェックを行います。
写真左のようにまず赤色浸透液を塗布し、一度洗浄(写真中央)、最後に白色現像液を
吹きます。
もしクラックが生じていると赤く浮き出てくるので容易に見つけることができ、
肉眼では見逃しがちな微細なクラックも発見することが出来るのです。
今回のミッションは写真のように全くクラックも無く、再利用できました!
その他、エンジンミッションマウント交換、サブフレームリジットカラーも装着して作業完了!
クラッチ操作もスムーズで軽くなり、ミッションの入りも非常に良くなりました!
慣らし走行後、サーキットを走行されたらぜひ感想を聞かせてくださいね!!
Posted by 原
Array Array