今日は20万km走行のEG6のお客様がご来店されました。
「走行距離が20万キロを超えたのでエンジン周りを中心にオーバーホール&
リフレッシュをしたい。」との事でした。
今回は全て純正部品を使用し、劣化、消耗している部品をリフレッシュすることに
なりました。 まずはエンジン。 エンジンミッションをおろし、補器類を全て外し洗浄します。
写真中央を見るとミッションハウジング内がエンジンオイルでべっとりぬれています。
これはB型エンジンでは良くあることなのですが、スプールバルブ廻りから
エンジンオイルがにじみ、それが垂れてミッションハウジングまで侵入していたと
思われます。
クラッチを見るとオイルが少し焼けた後があり、滑っていたようです。
写真右はエキゾーストのポート。
20万キロ走行しているだけあってかなりカーボンスラッジが溜まっています。 外した補器類は洗浄室で入念に洗浄し、ガスケット、パッキン、ウォーターホース類は
全て新品に交換します。
そして写真右はインマニのスロットルボディ接続部ですが、バリを綺麗に取り除き、
スロットルボディとの段付きを極力無くし、吸気抵抗、乱流を減らすよう、手を加えます。 写真はスロットルボディ。
こちらもやはりブローバイによるオイルが溜まってしまっております。
これをきれいに洗浄するだけでもエンジンの調子が良くなる事が想像できるのでは
ないでしょうか。
タイプワンでは洗浄後、更に専用測定器具を使用しスロットルポジションセンサーの点検、
調整を行います。
これは走行距離の多い車両に良くあるのですが、走行距離が増えるにつれ、
バタフライの全閉、全開の位置にずれが生じ、アイドル不良やエンジン不調を起こすことが
あるからです。 写真上のようにあらかじめSPOONにて加工を施したエンジンパーツは
タイプワンエンジン室にて精密に組み立てられ、洗浄した補器類を組み込みます。 その他、エンジン廻りで消耗、劣化しているパーツを洗い出しリフレッシュを行います。 まずは クラッチレリーズ。
今回クラッチも交換しますが、忘れてはいけないのがこのパーツ。
写真右はEG6に装着されていたレリーズフォークピポッドですが、写真中央のように
EG6用(左)は径が細いため、使用状況によっては折れてしまうことも・・・。
その対策としてTYPE-R用(右)ピポッド、フォーク、スプリングに交換して強度アップ。 写真はエンジンマウントです。
エンジン脱着時には劣化していれば交換しておくべきパーツ。こちらもEG6よりも
硬度が高いDC2TYPE-R用エンジンミッションマウントを装着。
元々EG6用純正マウントは硬度が高くないため、純正でもTYPE-R用を装着すれば
エンジンの触れが抑制でき、振動も気にならないくらいです。
写真中央、右のようにブラケットをカットしてしまえば流用可能です。 次はパワステポンプ。
EG,EK,DCにお乗りの方は経験された方が多いのではないでしょうか?
今回のEG6もパワステポンプ廻りからオイル漏れがあり、オーバーホールすることに
なりました。
幸いパッキン以外の損傷はありませんでしたが、写真中央のようにOリングが
完全につぶれて張りがなくなっていましたのでシール全交換です。 写真左はエンジンルームにあるフューエルフィルター。
右はフューエルポンプです。
20万キロ走ればフィルターもつまりが生じ、適正な燃圧が保持できないことがあります。
ポンプもリヤシートを外せば比較的簡単に交換が出来るので、10万〜15万kmで
一度は交換しておきたいパーツです。 写真はハブ、ハブベアリングを交換しているところです。
今回、作業前にホイールをゆすってチェックしてもガタは無かったのですが、
交換して正解でした!
写真中央を見てみるとベアリング圧入部が削れてかなり磨耗していました。
ハブを交換したついでにブレーキローターも耐熱塗装(写真右)をしてあげると
普通はすぐに錆びてしまうローターも長持ち!見た目もgoodですよ! そして今回、唯一純正部品ではないパーツ! サブフレームリジットカラーも装着することになりました。
ご存知かと思いますが、この世代のボディ剛性は現行車種に比べてはるかに弱いため、
サブフレームリジット化は想像以上の効果をもたらします。
フィーリングはいかに? 最後にエンジンを始動し、ラジエターを冷却しながら、約1時間徐々に回転を上げ、
エンジンラッピングをして作業完了! 試乗チェックをしてみると、作業前に比べてエンジントルクも復活し、ステアフィールも
しっかりしました。
ボディのよれ感も少なくなり、クルマ全体の質感が上がった感触です。
これでまた永く楽しく乗れるようになりましたね! Posted by 原