今日はEK9のミッション不具合のお話です。
埼玉県在住のお客様ですが、「1ヶ月前にEK9中古車を購入した時からギヤの入りが渋いので見て欲しい。」との事で御来店されました。
早速試乗してみると、確かに前後方向すべてのシフトゲートが渋く、ニュートラルの位置もわからないほどでした。
これは、シフトロッド、ミッションケースの磨耗、焼付きの典型ですのでミッションオーバーホールをする事になりました。
早速ミッションを降ろします。
渋さの原因?
写真はミッション内部のシフトロッドですが、このロッドが前後左右に動く事で各ギヤに入れることができます。
しかしながら今回のシフトロッドの動きはとても渋く、自由に動かす事が不可能な状態です。
渋さの原因?
これはシフトピースです。上記のシフトロッドからこのシフトピースを介して各シフトフォークを動かすのですが、こちら(写真右)もシフトピースとシャフトが全くスライドせずビクともしません。
渋さの原因?
これはシフトフォークでシンクロナイザーをスライドさせるパーツ。
写真のように3本のシフトフォークがミッションケースに刺さっているのですが、そのケース側(写真右)が油膜切れを起こし、ぼそぼそになってしまっています。
左は今回の3速ギヤ。右は新品です。
このような渋い状態で走行を続けてしまったせいで、全てのギヤ、シンクロは完全に磨耗してしまいました。
今回のようなシフトのゲートが全て渋くなる症状は時々あるのですが、いづれもオイルの劣化による油膜切れ、もしくは連続走行における油温上昇が原因です。
ミッションオーバーホールというと、ギヤとシンクロの交換というイメージがあると思いますが、走行ステージにあわせたオイルを使用しなかったり、オイル交換を怠ったりすると、このような事態にもなってしまいますのでオイル管理には十分注意しましょう!!
そして最近シビック、インテグラでよく起こるスピードメーター不良も御紹介します。
走行中に突然スピードメーターの針が飛んだり0kmに戻ったりしてしまう事があったら、これはスピードセンサーカプラーの不良です。
写真左はスピードセンサー。中央はハーネスのセンサーカプラです。
この3本のギボシが写真右のように錆びて割れてしまっています。
そのおかげで接触不良をおこして、メーターの針が飛んでしまうのです。
このような症状が起きたら、センサーを代えるのではなく、まずハーネス側ギボシをチェックしてみてくださいね!
色々ありましたが、無事にミッション換装完了。
ギヤの入りはとてもスムーズでしっかりしました!
オーナーはまだEK9の本来のギヤの入りを体験した事が無いとの事ですので、乗ったらおそらく驚くでしょう!
タグ:T/M ミッションオーバーホール
Array