今日は新潟県からEP3シビックタイプRのお客様がご来店です。
走行距離75,000、年に数回サーキット走行をされるようですが、「最近サーキット走行中に高回転でシフトチェンジをしようとすると特に3速が入りにくいのでミッションをOHして欲しい。」とのことでした。
ご来店時に詳しい症状をお聞きしたところ、7000rpm以下だったらギアは入り、街乗りではまったく問題がないとの事。
また、作業前に試乗チェックをするとクラッチのミートポイントが極端に奥で、クラッチを切って、クラッチペダルを少し離すだけで繋がってしまう状況でしたので、原因はクラッチにもあるのでは?との判断で作業を始めることになりました。
まずはミッションを降ろし、クラッチをチェック。
今までフライホイールは純正で、メタルディスク、カバーは社外品を使用されていました。(写真左)
ディスクの磨耗、当たり具合を詳しく調べてみると、写真中央、右のクラッチカバーフェースにディスクが均一に当たっていないことがわかりました。
次にクラッチディスクも調べてみると、
クラッチディスクの磨耗自体は少なく、まだまだ再利用できる状態でしたが、写真中央のスプリングが削れ、全てガタガタの状態でした。このスプリングはクラッチが繋がった時の衝撃を吸収し和らげるもので、走行距離が増えるにつれ若干のガタは生じるものです。
ただ今回はこのガタが非常に大きくなっている為、写真右のようにメインシャフトスプラインを指で動かすと回転方向だけでなく上下左右にガタガタに動いてしまう状態でした。
このことから、高回転でギヤに入りづらかったのは、クラッチを切っても実際はディスクが振れて接触してしまい、切りきれていなかった為と考えられます。
フライホイールも偏磨耗していたため、今回はクラッチディスク、カバー、フライホイール共、純正新品に交換することになりました。
念のためミッションの状況も調べるため、ミッションケースを開けてチェック。特にギヤが入らなくなるほどの損傷は見受けられませんでしたが、これからも永く乗りたいとの希望もありオーバーホールすることになりました。
各ギア、シンクロ、シフトフォーク、ベアリングなど消耗部品は交換し、測定をして組み付けるのですが、ただ部品を交換するだけではフィーリングが改善されない部分もあります。
写真右のように各ギアのシンクロをスライドさせるシフトフォークがミッションケース上下に収まっていますが、そのケース側ブッシュが剥離しボソボソになっている事があります。
左が75,000km走行し、傷んでいる状態。この状態ですと各ギヤの]
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