今日はEK9シビックが積載車にて搬送されてきました。
富士スピードウェイを中心にサーキット走行をされているというお客様でしたが、先日走行中にエンジンがばらつき、ストップしてしまったとのことでした。
入庫後調べてみるとセルモーターは回らず、プラグをチェックしてみると写真上のように4番シリンダーのプラグが破損していた為、エンジンブローと判断。エンジンを載せ代えることになりました。
エンジンを下ろしてバラしてみると、4番のバルブが落ち、ピストンも激しく破損をしているのが分かります。バルブが落ちたのは4番シリンダーのみですが、その他の気筒も破片を吸い込み、全ての気筒が傷だらけになっているのが分かります。これは破損した破片が一度インマニのサージタンクに吹き返され、それがまた他の気筒に吸気されるためです。
写真左はエキマニのポート。エンジンブローをすると当然エキゾーストに破片が吐き出されますが、写真中央、右のようにインテークマニホールドにも破片が吹き返され、さらにはエアクリーナーまで戻っていることがあります。
そのためエンジンブローし、エンジンを載せ代える時はエアクリーナーからインテークマニホールドまでも十分な洗浄が必要です。これを怠ると・・・せっかくのNEWエンジンもすぐにブローなんてことが起り得るのです。
写真は触媒です。触媒にも破片が詰まっていますので、そのままでは排気効率が悪くなってしまいます。目詰まりが無いようにエアブローを入念に行い、取り除きましょう。
補機類を全て入念に洗浄しNEWエンジンに移植するのですが、ブローのときに再利用が出来ないパーツが有ります。写真中央の水冷式オイルクーラーです。オイルフィルターの根本に位置するのですが、この内部(コア)に破片が入ってしまうと洗浄しても取り除くのが困難なため、新品に交換します。
写真はウォーターラインのジョイントをシリンダーブロックに装着しているところですが、水漏れ防止のためにねじロック剤を塗布し、ねじ込みます。
そしてB型エンジンでよくあるトラブルがスプールバルブからのオイル漏れです。エンジンOH等で外すことが有れば写真左、中央のパッキンは必ず交換しましょう。
さらにタイプワンではスプールバルブ自体のパッキン面をオイルストーンで面出しを行い(写真右)、装着することでオイルにじみを防ぎます。
今回、お客様の要望で、搭載するエンジンはB16B 1800エンジンです。ピストン、コンロッド、クランクシャフトをDC2のB18C用を流用し、ストロークアップで1.8L化となりました。
同時に1800専用SPOONスポーツコンピューターを装着で低回転からトルクフルなエンジンとなり、街乗りでは扱いやすく、サーキットではタイムアップ間違い無しです!
換装後、約2000kmの慣らし走行を経て、全開走行可能となりますので、サーキット走行復活を楽しみにしていてくださいね!!
今回のエンジン換装に掛かった費用は下記の様になりました。
B16B 1800 エンジン ¥399,000
エンジンベース代(エンジンブローの為) ¥315,000
エンジン脱着、洗浄工賃 ¥126,000
エンジンオイル MOTUL H-TECH 5W-30 ¥ 5,670
エンジン補機ショートパーツ ¥ 42,231
ECU(1800仕様) ¥ 84,000
レーシングプラグ ¥ 10,080
合計 ¥981,981
入庫後、1週間での作業でした。
有難う御座いました。
Posted by 原
ArrayArray