99年式のS2000をずっと大切に乗っていらっしゃるオーナー様が異音を感じてご来店、
距離は5万キロですが、、、確かに「ジャ~」と大きな音が響いて、、、ただならぬ予感が(汗)
異音は車速(タイヤの回転)と同期しているので、ハブ→ドラシャ→デフ→ぺラシャ、、、
と「聴診」すると、ミッションのセカンダリーギヤ周辺から発生していました。
サーキット走行などの高負荷走行は無く、走行距離が少ないのでオーナー様と相談の結果
ミッションフルオーバーホールは止め、セカンダリー部のみオーバーホールをする事になりました。
ミッションのリヤセクションを車上で取り外すとこんな風景に、ギヤの歯面など各部を
拡大して目視チェックしましたが、特に異音の原因となりそうな損傷や痕跡は見当たりません??
リヤセクションASSYを更に分解して視ると、、
ベアリングに酷いピッチングの痕が、、30万キロオーバーでもここまでは・・
走行距離や走行環境からはチョット考えられません、、オイル交換サイクルも常識的ですし、、
セカンダリーシャフトはスラスト荷重を赤矢印部分のテーパーローラーベアリングで受けています。
今回は左側の赤枠で囲んだベアリングにピッチングが発生し異音が出ていました。
このベアリングは与圧(プリロード)を掛けて使用するベアリングなので、
組み立て時の与圧の管理が非常に重要、損傷の原因は組み立て時の管理不良かも、、、
与圧の管理はシャフトの起動トルク、すなわち回り始める重さをシムを使い調整します。
ほんの少しのトルクで動き始めるシャフトの起動トルクは専用のトルクレンチで測定します、
コレ測定するだけでもかなりの経験が必要なんです、シム調整はに至っては熟練の技の領域、
モチロン、ミッション本体も季節ごとの温度差を考慮して確認する事は言うまでもありません。
今回はリヤセクションのベアリングとオイルシール、ミッションオイルのみの交換で
作動音は「サ~」と静かになりました、
費用は ¥48,258(税込)
ご依頼ありがとうございました。
Posted by Jomoto