今回は走行10万キロオーバーのエンジンを例にオーバーホール作業をレポートします。
ヘッド内のオイルを指先に付けて見ると綺麗です、しかし内壁はオイルスラッジで真黒、
これが大体普通の汚れです、ヘッド内にカーボンの堆積はありません。
オイル交換が1万Km以上も無交換だとその後で交換のサイクルを早めてもスラッジは
排出されず、燃焼室内やピストントップの堆積物も取りきれません。
抜いたエンジンオイルの状態や分解したパーツの状態はそのエンジンの使用環境の判断材料になります、分解時に各パーツの磨耗状態や傷、クリアランスなどもチェックしていきます。
このエンジンのシリンダー内壁は綺麗で立て傷も少なくオーバーサイズを使い腰下は通常のリビルトでオーバーホ―ルが可能です。
ピストン、リングは交換、メタルは摩耗が進み張りが無し、勿論交換です、ヘッドはバルブ、ガイド、スプリング、ステムシールなど全交換します。
こうして分解したブロックやヘッド等は高温のパーツ洗浄機で特殊液を
使い洗浄、微細な部分の奥に溜まったスラッジは洗浄後に拡大鏡を使い
目視で検査します。
エンジンブローによりインマニ内壁に突き刺る金属片などはエアブローだけでは取り除くことは出来ません、高温で徹底的に洗い検査します!
細部まで洗浄された部品はメカニックが慎重にゲージを使い各部を測定します、また新品の部品も精密に測定、特に新品の部品は触診するなど「要注意」なのです、それぞれのパーツの適正を判断して慎重に組み立て前の準備を行います。
エンジンの組み立て1に対し各パーツの前段階での準備は3〜4です、つまりパーツを選び
測定し、組み合わせる言わば見えない部分に時間を掛けているのです。
私達は「綺麗な指で」、「真心を込め」担当メカが心穏にエンジンを組み上げています。
Posted by吉澤
タグ:オーバーホール
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