「ギヤの入りが悪いのでミッションをオーバーホールして欲しい。」との連絡があり、S2000が入庫しました。
詳しい話をお聞きしたところ、サーキットでも街乗りでもすべてのギアが入りづらくなっているとの事でしたので、まずはミッションではなくクラッチを疑い、調べることになりました。
すべてのギヤが入らない時は、ミッションを疑う前に、ボンネットを開け、写真左・中央のクラッチフルードの量を確認します。
もしフルードの量が減っていたら、クラッチラインのどこからかフルード漏れが有る可能性があります。
このクラッチフルードは、ブレーキフルードのようにパッドが減るとその分、フルードの嵩が下がるのとは異なり、クラッチディスクが磨耗してもフルードが減ることは無いので、減っていたら要注意です!
今回のS2000もクラッチフルード量が減っていた為、クラッチフルードの漏れを確認です。
まずは写真右のクラッチマスターシリンダーです。
運転席のクラッチペダル上部に位置するのがクラッチマスターシリンダーですが、クラッチペダルを踏み込むとこのピストンがストロークし、クラッチラインに油圧が掛かり、ミッション側のスレーブシリンダーがストロークすることでクラッチが切れる仕組みです。
最近S2000に限らず多いのがこのマスターシリンダーからのフルード漏れです。
マスターシリンダーを外して見てみると、この車両も走行8万キロでオイルシールが劣化しフルードが漏れているようです。
当然のことながら、フルードがここで抜けてしまい油圧が十分に掛からないとクラッチは切れず、すべてのギヤが入りづらくなりますのでクラッチマスターシリンダーを新品に交換です。(写真右)
次に、クラッチフルード漏れと言えば、クラッチスレーブシリンダーとクラッチホースも要チェックです。
今回、サーキットも頻繁に走行するとの事でしたので、写真のようにミッション側のスレーブシリンダーを純正新品に、クラッチホースはSPOON製のステンメッシュタイプに交換しました。
写真はスレーブシリンダーですが、ダストブーツをめくると写真右矢印部のピストンシールからもクラッチフルードが滲み出ている事があります。
クラッチライン系を交換する場合はマスターシリンダー、ホース、スレーブシリンダーの3点を点検しましょう!
交換後、試乗をしてみるとギヤの入りはスコスコと普通に戻り、ミッションの損傷はありませんでした!
今回の掛かった費用は工賃込みで¥42,515、作業時間は2時間でした。
クラッチマスターシリンダー ¥ 9,030
パッキン(マスターシリンダー) ¥ 200
スレーブシリンダー ¥ 6,090
クラッチホース(SPOON) ¥ 9,450
クラッチフルード ¥ 945
交換工賃 ¥16,800
合計 ¥42,515
ギヤの入りに不具合があったらまずご相談下さい!!
Posted by 原
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