こんにちは、今回はS2000のデフをタイプワンで通常OHする要点、大袈裟に言うと奥義をレポートして見ますね、作業者は鈴木が、アシストタントは大島の2人が組み立て現場より生風でお伝えしたいと思います。
S2も86もそうだけど世界中のFR車のデフは「グリーソン社」の歯車理論で設計されて製造されているんだよ〜、グリーソン式以外のFR車は存在しない位なんだよ(鈴木)、、
ふ〜んそうなんですか〜(ヤング大島)
そもそもだねえ、デフを完全に組むには単に計測した数値だけでは無くて基本となるギヤのイロハ「インボリュート曲線論」など、いわゆる歯車理論を深〜く理解する事も大事なんだよ〜ね(鈴木)、、
はあ〜(ヤング大島)
その上で“手の感触”、“感じる目”も必要だぜ(鈴木)
でも今日ちょっと飛ばしすぎ・・・(大島)
さてどうもこの個体はバックラッシュのバラツキ(振れ幅)が過大の様子。(鈴木)
振れ幅が限度値の0.07mmをオーバー、メーカーの言う(マ〇ダが言う)限度値0.07?だけどこれ自体がチョット「大きすぎる」数値なんだよね、それに純正だとディスタンスカラー(写真下)を締め込んで潰してプリロード寸を出すんだけど、S2000だとどんどん潰れてクリアランスが過大方向になるんだよ。
基本がマ〇ダの商用車用だとOKなんだけど、、ボソボソ。
そこでこれ使うんだよね、スプーンのCMになるけど、
商品名 ピニオンシャフトカラー¥12,600。
これで一度仮組して基本寸法を出してだね、もう一度計測して求めるクリアランス値を計算して・・・、
↓
寸法調整するシムは「日産純正」(数百円/1枚)を使うんだよ、
0.02?ごとに設定されているから、微妙な値を求めても調整が可能なんだ〜。
↓
さて組んでみると「それでも」振れと揺らぎが過大?
さてその原因とは?
先ずリングギアの振れを計測すると「歪み」が在ります。
今度は画像のように新品のリングギヤ単体を定盤上に置き、LSDとの勘合結合面の歪み量を測定します。
これ数値もアタリ面の整合も問題なし!
新品のLSDケースの歪み量も測定します、デフキャリアも後期の新品を使いイザ測定して見ると、、(後期型のキャリアは頑丈ですよ〜)
後期型 デフキャリア ¥32,340
okです、「揺らぎ」の原因は元のデフキャリア自体の劣化からの過大な歪みでした、ぽぽぽポ〜ン、懐メロかな?
さて翌日の力仕事はヤング大島クン、謎めいた造り笑顔が怖いデス。上の写真はリングギヤをLSDに組み付け締めていますが、この締め付けトルク値もチョット癖モノ!
サービスマニュアルのトルクだとボルトが緩むんですね〜、24時間レースでは緩み止めに全てのボルトに穴を開けてワイヤリングで繋いでボルトを溶接したりもしてたな〜(鈴木)
タイプワンでは、デフに超強度、耐高温のネジロック剤を塗布してリングギアの締結トルク値は10.5kgに上げています
メーカーの言う指定値を無視しているわけでは無いんですけど、もちろんボルトは新品でね。!!
こうしてデフの振れ幅は全周で0.01mm以下、歯当り面、バックラッシュ量とアタリの感じ、プリロードもOK、嬉しい完成です!
ギヤ系の最後の決め手は「手の感触」、シットリした「えもいえぬ」感触、ヌタ〜としたフィールがポイントなんですよ〜(鈴木)、
パバロッティの歌声の様なビロード感、これなんですよ、キメはね(鈴木)
はあ〜でも誰ですか、パバロッティて?(大島)
今日はこれでオシマイ(鈴木)
デファレンシャルギヤボックス NTS ¥68,250
キャパシティアップデフケース ¥78,750
Posted by 原