今日は遙々、宮城からS2000の入庫です。いつも遠方からお越し頂きまして本当にありがとうございます!
走行距離が14万キロを越え、これからも末永くこの車に乗っていたいという事で
ここのところオイル消費が増えてきたエンジンをオーバーホールする事になりました。
いつもの様に作業前にタイプワンの周りを試乗チェックしてみると、確かに距離相応にエンジンはお疲れの様子。
調子が悪いというレベルでは無いのですがトルクが痩せ、高回転のパンチが無い感触でした。
マフラーの出口の状態でエンジン内部の状態が大体想像がつきますね!
ミッション脱着の際にプロペラシャフトは必ずチェックしていますが、
ジョイント部にガタ、焼きつきが生じ、振動・異音が出ることが多いです。
今回のS2000のプロペラシャフトもジョイントの動きが渋く回転方向のガタが大きくなっていました。
アクセルパーシャル付近のジャラジャラ音と振動はこれが原因ですね。
エンジンを降ろすにはサブフレームを150mmほど下げ先にミッションを降ろします。
慎重にエンジンを車外に吊り出します。
外した補機類は洗浄室で入念に洗浄し、ガスケット、パッキン、ウォーターホース類は
全て新品に交換します。
こちらは外したプラグの状態です。
やはりオイルの消費量が多いだけあって、燃えたオイルがプラグに付着していますね。
この状態では最適な点火はとても出来ないですね(涙)
14万キロ走行しているだけあってかなりのカーボンスラッジが溜まっていますね。
こちらはピストントップの拡大写真、赤〇部にかすかにPCXの文字がみえますね。
ピストントップや燃焼室にカーボンが堆積すると規定以上に圧縮比が上がってしまい
早期着火の原因になりノッキングの発生につながります。
さらに燃焼効率が悪化することで燃費にも影響をもたらします。
走行距離が嵩めば仕方がないですが、こうなってしまったらオーバーホールするしかないですね。
EGRのポート部もいまにも溜まったカーボンが剥がれ落ちそう、、恐いですね~。
こちらはインマニの内部の様子です。やはりブローバイによるオイルが溜まってます。
高温のパーツ洗浄機で特殊液を使い洗浄、微細な部分の奥に溜まったスラッジもキレイになるまで
徹底的に洗浄しちゃいます。
再使用するインマニなどの補機類もじっくり時間を掛けて洗浄してからNEWエンジンに移植し、
熟練メカにより精密に組まれた珠玉のSPOON製F20Cエンジンをキレイなエンジンルームに慎重に積み込みます。
ミッションを搭載したらサブフレームを上げますが、リジカラを忘れずにね!(笑)
最後にエンジンを始動し、水温を注視して冷却ファンで強制冷却しながら、
1時間ほど掛けて徐々に回転を上げ、エンジンラッピングをして作業完了です!
隣は先日のS耐開幕戦でクラス優勝を飾ったGK5レースカー、
次戦のSUGOに向けて鋭意メンテ中です!
作業を全て終えて引き渡し前の試乗テスト、この実走行での駄目ダシが 重要なんですね。
全域で音振も良くチェック、慎重に初期の当たり付けを行ないます。
翌朝は冷えた状態からの「始動時の音」に注意、アイドルUP、水温上昇を待ちエンジンの状態を確かめます。
試乗の途中で、みるみる軽く回る様になって来ましたよ~!
これでまた永く楽しく乗れるようになりましたね!!
遠方より作業のご依頼、ありがとうございました。
Posted by 吉澤